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写真館で撮ったポートレート |
その日の朝、苦しそうなマルの声が聞こえました。そばに行くと目をうっすらと開けて私を見つめるのです。妻は早朝新聞の配達に出ていていません。今にも永遠に目を閉じてしまいそうな様子、私は「マルちゃん、お母さん帰って来るまで逝っちゃダメだ!!」と叫びました。妻を迎えに行っている間にひとりで逝ってしまっては後悔するばかりです。それから30分後やっと妻が帰ってきました。今にも逝きそうなマルの姿に妻も「マルちゃん逝っちゃダメ!!」と叫びますが、妻の声を聞いて安心したのか、10分も経たないうちに逝ってしまいました。そばにいたヨークシャーもマメも状況が分かっていて静かにマルを見ていましたが、息を引き取ったマル兄ちゃんのそばに行って「起きろ起きろ」というようにマルの顔に手をやるのです。
マルが我が家にきてから我が家が明るくなりました。今は社会人になっている息子が中学での作文に「マルちゃんがきてから家の中の会話が増えました。マルちゃんのおかげです」と書いたほどです。思い出せば私もギスギスしていたなあと反省すると同時にマルにありがとうともう一度声を掛けたいほどです。
ペットショップに妻と行くことがあるのですが、必ず「マルちゃんはいるかな」とマルチーズをまずさがします。いると店員さんにお願いして抱かせてもらいます。フワフワの毛並みがマルを思い出させます。
今は遺骨になり茶の間の本棚の下の祭壇にいます。法名は「釋満留」です。毎晩好物だった食べ物を供えますが、マメのおなかの足しになっています。今、ひとりになったマメに癒されている毎日です。
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なかよしのマルとマメ |
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